北朝鮮による拉致被害者の家族らは21日、衆参両院の拉致問題特別委員会に参考人として出席し、被害者の帰国に向けて具体的な方策を練るよう、日本政府に悲痛な思いを訴えた。

 横田めぐみさん(失踪当時13)の母早紀江さん(81)は「新潟で、娘が煙のように消えた時から何も進んでいない。地獄のようだといえば大げさかもしれないが」と、拉致からの40年を振り返り「めぐみや、多くの人が助けを求めている。知恵を絞ってほしい」と求めた。田口八重子さん(同22)の兄で、家族会代表の飯塚繁雄さん(79)は、11月に実現したトランプ米大統領と家族の面会について「歓迎すべき事態だったが、単なるパフォーマンスに終わらせてほしくない」と、くぎを刺した。

 問題解決の糸口が見えず、家族の高齢化も進む。飯塚氏は「我慢、忍耐、気力で頑張る」と述べ、アントニオ猪木参院議員の訪朝への感想を求められると「確たる役割をお願いしてやってほしい」と、議員外交のあり方にも言及した。