築地で働く女性たちで構成される「築地女将さん会」は11日、都庁で会見を開き、豊洲市場開場の延期と、築地市場の移転中止を求める要請書を東京都に提出したと発表した。メンバーによると、移転差し止めを求める仮処分を、東京地裁に申し立てることも検討しているという。

 同会は、3月26~4月1日の期間で築地市場の水産・仲卸事業者全535店舗に12項目のアンケートを実施。261店舗の責任者から回答が集まった。豊洲移転は半年後の10月11日に迫っているが、築地の市場関係者には不安や不満が噴出しているようだ。

 「豊洲市場の問題点は解決したと思うか?」との問いでは「全く解決していない」が46%、「ほとんど解決していない」が42・9%。移転計画そのものについての問いには「今からでも中止すべき」が31・4%、「もう一度凍結して話し合うべき」が38・7%だった。「このまま進めてもよい」は4・6%だった。

 同会会長の山口タイさん(75)は「東京都は当たり前のように移転を進めているが、市場の中はそんな雰囲気ではない。それを小池都知事にも分かって欲しい」と訴えた。豊洲での営業に向けた準備は進めつつも、気持ちが追いつかないのが現状で、今でも10~20店舗の責任者は「豊洲には行かない」と話しているという。

 豊洲新市場の問題点については、土壌汚染、交通アクセスの悪さ、建物の耐久性など「上げればきりがない」ほど山積していると主張。山口さんは「国会もガサガサしているが、隠蔽(いんぺい)とごまかしの豊洲市場には行けない」と強調した。

 同会はこの日、都議会の各会派にも要請書を提出した。