森友学園公文書改ざん問題などの真相解明を求める市民団体が14日、国会前で大規模なデモ活動を行い、約3万人(主催者発表)が集まった。参加者は「安倍内閣は退陣!」のプラカードを掲げ、「文書改ざん徹底追及」と声を上げた。集会には野党議員も参加した。

 立憲民主党の長妻昭代表代行(57)は「日本は今、安倍総理のお友達と取り巻きによって国会中枢が混乱させられている」。共産党の志位和夫委員長(63)は「一連の疑惑は底なし沼の状態。安倍政権は即刻退陣だ。市民と野党の共闘で、うそのない正直な政治を取り戻そう」と訴えた。

 集会には、お年寄りから小さな子ども連れ、大学生も参加していた。都内の大学に通う高橋紀渚(きな)さん(20)は「大学では、政治的な話をすると嫌悪される。それでも、おかしいことは今おかしいと言わないと。空気を読んでいる場合じゃない」と力を込めた。

 川崎市の男性は、何度か同様の集会に参加した経験があると言うが、この日の盛り上がりには驚いた表情。「今日はふだん来ていない人も来ていると思う。それだけ今の政治に対し、みんなが思いを持っているということ」。墨田区の滝谷光夫さん(63)は安倍首相に対し「はっきり正直に、自分のうみをだし切って欲しい」と求めた。

 午後3時半ごろ、若者を中心とした団体が開催する第2部になると雰囲気が一転。「前へ、前へ」という主催者の声に、歩道にいた参加者が車道に流れ込んだ。バリケードを築いて警備していた警察官と参加者で、トラブルになる場面もあった。

 一方、首相官邸前には安倍政権を応援する団体も。「頑張れ、安倍政権」と書かれた横断幕が掲げられ、参加者は日本国旗を持って集結した。埼玉県の男性(70)は「今の状況で、日本を守るには安倍さんしかいない。国際情勢も大きく動いており、バカみたいに森友加計と言っている場合ではない」と語った。

 それぞれ主張が違う団体が近くの駅で交差し、小競り合いが起きる場面もあった。