安倍晋三首相が、来月12日にシンガポールで行われる史上初の米朝首脳会談に合わせ、自身のシンガポール入りを模索しているとの見方が14日、永田町で浮上した。首相は拉致問題解決を前提に、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長との日朝首脳会談を目指し、14日の国会審議でも「日朝が会談しないといけないと、金委員長に決断してほしい」と述べたが、拉致問題で両国の見解は異なり、見通しは立たない。米朝会談を含め、北朝鮮情勢は想定外の展開をみせており、現地入りすれば日朝関係にも予想外の展開が訪れる可能性もあり、あらゆる事態に備えるシナリオとみられる。

 首相は米朝会談後、トランプ米大統領から直接話を聴く意向だが、中韓首脳もシンガポール入りする可能性が浮上。日本だけ不在では、さらに「蚊帳の外」となる恐れもあり、慎重に判断する。