学校法人「森友学園」を巡る補助金詐取事件で詐欺と詐欺未遂の罪に問われ、25日に大阪市都島区の大阪拘置所から保釈された、学園前理事長籠池泰典被告(65)諄子被告(61)夫妻の長男・佳茂氏が31日、文化放送「斉藤一美 ニュースワイドSAKIDORI!」(月~金曜午後3時半)に緊急生出演した。

 この日、大阪地検特捜部が森友学園への国有地売却をめぐる財務省の決裁文書改ざん問題の渦中にある佐川宣寿・前国税庁長官(60)について、虚偽公文書作成などの容疑について、嫌疑不十分で不起訴処分にしたと発表した。佳茂氏はそのことについて聞かれると、一瞬、間を空けて「もう検察庁がそのように判断されましたので、額面通りそうなんだという印象を持っておりますが」と感想を語った。

 10カ月近くの勾留から保釈された両親の様子について聞かれると「私は保釈直後に、ちらっとふたりの顔を見たと。あと立ち話をしたと。あと電話で何度か連絡をしたと。いう流れです」と答えた。その上で「今は、10カ月という長期勾留でしたのでね、いろいろと心身ともに、まあゆっくりと静養されてるんじゃないかと思いますが」とも語った。両親の健康状態については「それはもう、皆さんご承知のとおり大丈夫だと思いますが、ただ検査の方とかですね、そういった部分でのフォローというのは必要じゃないかなと思っておりますが」と両親を気遣った。

 斉藤一美キャスターから「佳茂さん、声が随分疲れていらっしゃいますね」、「ここまでの流れが、うんざりという感じが聞いてとれるのですけど、いかがですか?」などと聞かれると「まぁ、あの、わりかし長いですのでね。司法だけではなくて、政治的なものも流れでありましたもんですから、どうしても社会的な影響も大きい分、まだまだ道半ばかなという中で、個人的に気は抜けないなと思っています」と答えた。

 その上で「長期勾留というものに対しての、いわゆる人質司法ですか? そういった、この国の司法の問題点があるということは今回で学びましたので、そういったことについての、身内で近親のなかで体験する感想というものはありますけども」と両親の長期拘留に対し、疑問を呈した。

 ただ「結果的に今、保釈がなされて、通常の生活をされておられますので、あまり私の方が何かお話をするというのも、また公判の方に響くと、また具合悪いところもあると思いますので」と慎重に言葉を選んで語った。

 今後については「先がまだ、見通しがまだつきませんので、ひとつ政治的にも区切りがついたのかなと思っておりますので、あとは司法の判断にお任せして動向を見守りたいと思っております」と語った。