多くの女性との交際した過去をつづった著書が話題となり、「紀州のドン・ファン」とも呼ばれた和歌山県田辺市の資産家で酒類販売会社社長野崎幸助さん(77)が24日夜、自宅で死亡しているのが見つかり、解剖の結果、体内から覚醒剤の成分が検出されたことが5月31日、捜査関係者への取材で分かった。県警は死亡の経緯や覚醒剤との因果関係を調べている。

 捜査関係者などによると、24日午後10時半ごろ、田辺市の自宅寝室で野崎さんが倒れているのを妻が発見し、その後死亡が確認された。外傷はなかったが、解剖で体内から覚醒剤の成分が見つかった。

 県警は不審死とみて、複数回にわたり自宅や会社を家宅捜索。関係者から事情を聴くなどして詳しい状況や死因を調べている。

 野崎さんは田辺市で酒類販売業や金融業を営む資産家。中学卒業後、鉄くず拾いの仕事を皮切りに訪問販売、金融業、不動産業で成功した。16年に自身の女性関係や半生をつづった「紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男」を出版。欧州の伝説上の放蕩児(ほうとうじ)になぞらえた「紀州のドン・ファン」として、メディアで何度も取り上げられた。

 16年には当時交際していた女性に計約6000万円相当の金品を盗まれたとして話題になり、今年4月に出版された第2弾「紀州のドン・ファン 野望編」では、2月に55歳年下の20代女性と結婚したばかりだと明かしていた。