学校法人「加計学園」(岡山市)獣医学部新設をめぐる一連の問題について、加計学園の加計孝太郎理事長(66)が19日、岡山市内で会見を開いた。17年5月に問題が報じられ、発覚して以降、加計理事長が会見に応じるのは初めて。

 加計理事長は、安倍晋三首相と「2015年2月25日に面談した」と書かれた、愛媛県の文書の内容を否定した上で、安倍首相とその前後に接触、メールや電話で連絡を取ることはあったか? と聞かれると「ございません。(獣医学部の話も)一切ございません」と答えた。

 安倍首相との関係については「何十年来の友達なので(会う時は)仕事のことはやめようというスタンスでやらせていただいている。リラックスするために、お会いしている。政治の話は何回か伺ったが、こちらの話には、あまり興味がないと思う」とし、獣医学部の話をしたか? と聞かれると「ございません」と答えた。

 安倍首相が加計学園の獣医学部新設の計画について初めて知ったのは、学園が国家戦略特区の事業者に選定された17年1月20日だと説明している件について聞かれると「悪いですけど、知りません」、「(やりとりはメールでも電話でも)ございません」、「話は一切しておりません。(安倍首相が知ったのは)決まってからではないか? どういう話? 覚えてない」などと、知らぬ存ぜぬと言わんばかりの回答に終始した。

 そして「たまたま総理と仲が良かったから、こうした騒動になった。申し訳ない」とも口にした。「安倍首相と仲がいいだけで、こういう騒動につながると考えたか?」と聞かれると「考えていなかった。全く思わない」と答えた。