前川喜平・前文科事務次官は20日、加計学園の加計孝太郎理事長が19日の会見で、15年2月25日の安倍晋三首相との面談を「記録にも記憶にもない」と否定した姿勢について、「嘘を嘘で塗り固めた上に、さらに嘘の上塗りをしたものにほかならない」と、痛烈に批判した。

 この日、代理人を通じてマスコミ各社にコメントを送付した。

 前川氏は、「一連の愛媛県文書によって面談および、その後の会食の際に、安倍総理と加計理事長が獣医学部新設について話し合っていたことは、決定的に明らかにされている」と指摘。「そうした事実を覆す反証は、何ら示されていない」と述べ、加計氏が面談を否定する具体的な証拠を示していないとただした。

 その上で、「会っていない」とする首相や加計氏の説明は「嘘だと断じざるを得ない」と、虚偽の説明だと主張した。

 加えて、「柳瀬唯夫前総理秘書官が、15年に官邸で加計学園関係者と複数回にわたって面会していたことを国会で認めているにもかかわらず、加計氏はその面会の事実まで否定してしまい、柳瀬氏の答弁との間に矛盾を来しています」とも指摘した。

 「何が嘘で、何が本当だったか、ご本人も分からなくなってしまったのではないでしょうか」と記し、加計氏の発言内容を強く批判した。