★鼻っ柱が強く、批判を受け止められず、相手が話している最中でも反論しだす。顔がみるみる険しくなる。口がとがり始め、あからさまに不機嫌になる。そういう人は社会には往々にしているが、閣僚が毎度の会見でこの態度では、首相・高市早苗の側近との触れ込みだが、政治家としての訓練ができないまま閣僚に再任されたとしか言いようがない。不幸なのは国民だ。既にお気づきかと思うが、経済安保相・小野田紀美のことだ。
★9月の初め、週刊文春が22年7月の参院選で選挙事務所は候補者1人につき1カ所と決められているが選管に届けていない事務所を、ヤミ選挙事務所としていた疑いを報じた。選挙事務所としての領収書も出て来ており、運用事実も文春は指摘しているが、大臣の事務所は「当該事務所が選挙事務所だったという事実はございません」の一点張り。当然だろう。認めたら公選法違反となる。しかしながら小野田は今月1日、報告書を修正した。国民が同様のことをすれば様々な法執行機関が厳しく扱うが政治家はうっかりしていましたと「修正」すればとがめられない。一カ月をかける必要もない。それは土地の不記載が問われている党副総裁・麻生太郎とて同様だ。
★駆け出しのころ、当選12回、閣僚経験多数という自民党の大ベテランに言われた。「メディアの問いには丁寧に答える。これも勉強だ。厳しい質問もある。しかし本当に怖いのは野党の予算委員会だ。向こうも調べ上げて挑んでくる。専門知識と役所の答弁書だけでは間に合わない。行政の在り方、予算のお手盛りなどを問われれば、大臣の答弁として、とっさに突っ張るか非を認めるか判断して納めていく。これが政治だというものを示さなくてはならない」。メディアにも官僚にも、与野党の政治家にもそれぞれの矜持(きょうじ)が薄れたといえる。会派「志士の会」を結成した元立憲民主党代表・泉健太は「農相の疑惑が出た。しかしあえて言う。野党はこの追及に、質問時間を使わず、国民生活に関する質疑に徹するべきではないか。その方が、実は与党にとってははるかに脅威だ。これは弱腰などではない。悪を見逃すのでもない」。否定はしないが牙もない。(K)※敬称略


