2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は27日、首相官邸で安倍晋三首相と会談し、暑さ対策としてサマータイム導入を要望した。森氏は組織委が発足した14年当時からアイデアを持っていたが、正式に国に要請したのは初めて。

 暑さ対策として男女マラソンの競技開始を午前7時としたが、それでも昨今、朝から気温30度を超える日が続いた。今月23日には観測史上初めて東京都で40度を超え、熱中症患者も急増し、酷暑が社会問題になっていた。

 サマータイムの導入はこれまで日本ではないが、海外では1~2時間の前倒しが一般的で、首相にも同様の時間で要望。組織委の武藤敏郎事務総長は「期間は春から秋。東京大会をきっかけに導入し、今後のレガシーになれば」と話した。

 安倍首相は「1つの解決策かもしれない」と述べた。森氏が会談後、記者団に明らかにした。サマータイムの導入には各省庁の調整が難題として「首相が先頭を切ってやってくれないとできない」と伝えたという。

 18日に競技日程、時間が決まったが、武藤氏は「40度ということが起こる前提はもっていなかった。おのずと、深刻度は強く認識された。そこが発端」と、この想定外の酷暑が正式要請のきっかけとなったと明かした。