自民党の石破茂元幹事長は27日、国会内で開いた政権公約発表の会見で、党総裁選(9月7日告示、20日投開票)に向けたキャッチフレーズ「正直、公正、石破茂」を変えない考えを表明した。モリカケ問題での対応が批判された安倍晋三首相への“当てつけ”との見方から、党内で異論が拡大。石破氏は「突然言い出した言葉ではなく、政治家になって以来の心がけ。人への批判ではなく、変えることはありません」と理解を求めた。その上で「政策の議論をするに当たっては、スローガンは当然変わる」と主張。積極的には打ち出さない意向も示唆した。

公約には、首相の政治姿勢をけん制するような内容が並んだ。「いつどこで、誰が何をしたか明確でなければならない」として、問題になった加計学園と首相秘書官の面会を念頭に「官邸スタッフの面会内容の明確化」と記載。「フルオープンの議論」「不都合でも必ず開示」と訴えた。安倍政権での成長戦略や地方創生、女性活躍は「失敗」とする資料を配布。アベノミクスに対抗した「石破ビジョン」を打ち出す構えだ。

一方、安倍首相は石川など北陸3県での地方集会に出席。これに先立ち、自身を支持する麻生派(59人)から、「19年夏の参院選までの憲法改正の国民投票実施」が盛り込まれた提言を受け取り、「基本的な考え方は全く一緒」と応じた。【中山知子】