大阪桐蔭高校(大阪府大東市)は30日、ゴルフ部で男子部員による賭けゴルフや下級生への暴力行為があったとして、部を一時活動停止処分にしていたと明らかにした。今年3月に発覚し、大阪府私学課には6月に報告していた。同校によると、複数の部員が部活動中、数百円ずつを賭けてプレーするなどしていたという。

大阪桐蔭高の今田悟校長によると、3月上旬、当時1年の男子部員が同級生の財布から500円を抜き取る事案が発覚し、学校側が調査。聞き取り調査の過程で、昨年7月から今年3月、上級生5人がこの部員への暴力を繰り返したり、複数の部員が部活動中に数百円ずつを賭けてプレーをしたりしていたことが判明した。

賭けゴルフは当時の1~3年の複数の部員が関わり、部活動中にチーム戦、パター戦、アプローチの練習中に行われた。当初はジュースやアイスクリームなどだったが、次第に現金を賭けるようになったという。

また、現金を抜き取った当時1年の男子部員には上級生5人が「指導」という名目で繰り返し暴力を振るっていた。聞き取り調査では「(男子部員が)同じミスを繰り返す。注意しても無視する」などといった理由で、蹴ったり、繰り返し肩を殴る「肩パン」などの暴力を繰り返したという。

同校は窃盗の部員を8日間の謹慎(その後、自主退学)に、暴力行為の5人を12日間の謹慎処分にした。顧問2人も厳重注意、ゴルフ部は12日間の活動停止とした。同校は6月、大阪府私学課に一連の行為について報告した。

同校によるとゴルフ部は硬式野球部などと並び、毎年のように全国大会に出場する強豪。OBにはプロゴルファーの宮里聖志や弟の優作がいる。硬式野球部は史上初の2度目の春夏連覇の偉業を達成したばかり。今田校長は「野球部の生徒にも申し訳ない。今後、すべてのクラブにおいて2度とこのようなことが起きないように取り組みたい」と話した。【松浦隆司】