自民党総裁選(9月7日告示、20日投開票)は8月31日、出馬を模索していた野田聖子総務相が正式に出馬断念を表明し、安倍晋三首相(63)と石破茂元幹事長(61)による一騎打ちの構図が確定した。

総裁選をめぐり、支持動向が注目される小泉進次郎筆頭副幹事長は同日、視察先の長野県伊那市で取材に応じ、総裁選のあり方について「自民党員だけを見ることなく、多くの国民の皆さんに『さすが自民党だね』と思われるような総裁選にしてほしい」と述べた。

首相と石破氏の支持に関連し、世論調査では2人が拮抗(きっこう)しながら、派閥単位による国会議員票では首相が石破氏に大きく水をあけている現状をどう思うか問われ、答えた。

進次郎氏は、昨年の衆院選で「自民党は国民政党だ」と訴えた経緯に触れた上で、「自民党の支持者の利益を考えるだけでは、国民政党とはいえない。1億2000万人の(国民の)声を受け止め、どうかじ取りすればこの国を前に進めていけるかを考えるのが、真の国民政党だ」と主張。党の支持者だけでなく、国民も納得できる選挙戦であるべきとの認識を示した。

自身の対応については、「さらにいろいろ、自分の中でどうすべきか毎日考えています」と述べるにとどめた。「最後までしっかり考える」との主張を崩さず、首相、石破氏のどちらを支持するかは当面明かさない意向とみられる。

前回12年の総裁選は、石破氏に投票した。進次郎氏の発信力は強いだけに、両陣営とも固唾(かたず)をのんで見守っている。【中山知子】