自民党総裁選(7日告示、20日投開票)で安倍晋三首相を支持する陣営は3日、都内で選対本部の発足式を開き、国会議員230人と代理出席を合わせて346人が出席した。所属する405人の8割以上に当たるが、会場受付では各派閥ごとに出席を確認。石破茂元幹事長との一騎打ちで首相が優勢とはいえ、「派閥主導」の実態もにじんだ。

選対本部の相談役や顧問には、派閥トップがずらり。あいさつした首相も「選挙は最後の最後で大きく(流れが)変わることもある。至らない候補者だが、力強いご支援を」と“全力支援”を要請し、引き締めをはかった。「支持率低下は1度や2度ではない。私の不徳の致すところから厳しい批判があったが、皆さんにかぶっていただいた」「担ぎ手はすばらしくても、みこしがボロいと言われないよう頑張りたい」と、低姿勢な場面も多かった。

石破氏陣営も会合を開いたが、石破氏は豪雨被災地視察で欠席し、集まった国会議員は18人。会場には空席も目立ったが、選対本部長に就任した重鎮の尾辻秀久・元参院副議長は「武士道を真ん中に据え、正々堂々、真正面から戦おう」と訴えた。首相支持で「勝ち馬」に乗ろうとする流れは加速するが、「選挙後のポスト争い」を懸念する声も漏れている。【中山知子】