東京都の小池百合子知事は28日の会見で、20年東京大会の暑さ対策の一環で検討されるサマータイムについて、大会に合わせた導入には否定的な認識を示した。

来年は年号が変わり、消費税率変更なども控えることなどを踏まえ、「システムの改修作業は膨大だ。IT業者を(サマータイムのために)怒濤(どとう)のように投入するのは、人材の配分としてどうなのか。現実的な話もある」と指摘。かつて、コンピューターの誤作動が懸念された「2000年問題」でも、事前に相当な準備をして臨んだと訴え、準備時間の少なさを挙げた。

一方で「サマータイムについては否定的ではない」と述べ、「デッドラインが決まっていることを外せば、引き続き検討してもいいと思う」と主張。大会での導入が前提でないなら、検討の余地があるとの認識を示した。「今の若い方の働き方をみていると、サマータイムで夕方からの時間を活用すれば新たな需要ができる。東京都はナイトタイムエコノミーを推奨しており、(サマータイムで)人生を楽しむ機会が増えるかもしれない」と述べた。

大会に合わせたサマータイム導入の是非を検討する会議を27日から始めた自民党でも、実施は困難との見方が出ている。