8月に続き異常災害に見舞われた日本列島。台風直撃の大阪では関西国際空港が“水没”し、最大震度7を観測した北海道の地震では大規模停電(ブラックアウト)で一時、道民の生活が混乱。土砂災害で41人の命も奪われた。安倍晋三首相が3選された自民党総裁選では、石破茂元幹事長陣営への「冷や飯」圧力が問題に。首相支持を前提で出されたカツカレーを食い逃げし、寝返った議員の存在も浮上。「1強」の意外なもろさも露呈した、9月の言葉から-。
デスクA 今月も災害が続いた。台風21号の影響で関西国際空港が水没。空港への連絡橋にはタンカーが衝突して交通が寸断、陸の孤島に。2日後、北海道で大地震が起きた。
記者A 新千歳空港が使えず函館に飛びましたが、レンタカー会社も停電で業務できない。ブラックアウトの怖さを実感しました。
デスクB サッカー日本代表の取材で札幌にいたスポーツ部記者は、パソコンの充電もできず、わずかに電池が残った携帯電話で原稿を送ってくれた。
記者A 厚真町では、各所で大規模に山肌が崩壊。斜面は急ではないが、それまでの雨で水分を多く含み、場所によっては山肌そのものが土砂となり、住宅を押しつぶした。住民は「十勝沖地震でも崩れなかったのに」と話していました。
記者C 中越地震でも、旧山古志村で同様の被害が起きた。直下型地震ならどこで起きてもおかしくない。
記者B 関空もですが、情報発信が足りず、途方に暮れる外国人が多かった。札幌では観光客に人気の「ドンキホーテ」に、多くの外国人が集まったといいます。情報発信の手法も、考え直さないといけない。
デスクB 地震で、選挙期間が短縮された自民党総裁選は首相が3選も、地方票の45%が石破元幹事長に。地方の反乱だった。
記者E 国会議員票も、事前予想より約20票多かった。麻生太郎財務相は「善戦」を否定しましたが、負け惜しみに聞こえました。
記者D いちばんの盛り上がりは、やはりカレーライス事件だ。首相陣営の出陣式で出されたカツカレーの数と、投票議員の数が合わない。この食い逃げ問題、党内では「平成の黒政治史」に残るといわれています。
記者B カレーの値段は3300円。300人規模の会場となればホテルなのは分かるが、やはり高いね。
記者C 石破陣営のカツカレーは党本部の食堂のもので、1200円。党本部のカレーは「おふくろの味」で、ファンが多いです。
デスクC 数少ない討論でも、首相は都合のいい話は冗舌に語るが、不都合な話を突っ込まれるとむきになる場面が散見された。
記者C 岸田文雄政調会長や野田聖子総務相が出ていればもっと違った。特に、岸田さんの不出馬に幻滅した議員は多い。首相への忖度(そんたく)だと。
記者B 国会議員票と地方票がここまで開く。首相への議員の忖度が、半端ないということですかねえ(笑い)。
デスクA 「スタートトゥデイ」前沢友作社長が、月への民間旅行計画に参加表明したのには、驚いた。総額700億~800億円。旬の人らしい話題だね。
記者A 23年に打ち上げ予定ですが、準備が整った上での話です。5年前、宇宙旅行挑戦を明かした俳優岩城滉一を取材しましたが、岩城さんもまだ宇宙に行けていません…。
記者E 交際中の女優剛力彩芽の所属事務所は「剛力が月に行く予定はありません」と言いますが…。
記者D 前沢氏は夢のような話にぽんと巨額の金を出す。プロ野球参入の話もある。ぜひ、話を聞いてみたい。
<社会>
◆経団連の中西宏明会長「何月解禁と言わない。指針も目安も出さない」
3日 就職協定の廃止を表明し、賛否両論。
◆国際オリンピック委員会(IOC)コーツ副会長「やりたくなければ、申請しなくていい」
12日 20年東京大会のボランティアに「強制労働」などの指摘があると問われ。募集条件の厳しさからSNSでは「ブラック」「やりがい詐取」などの指摘も。
◆歌手安室奈美恵のファン「奈美恵ちゃんの存在を感じたい」
15日 引退前日、沖縄のライブに行けなかったファンが、アムラー発祥の地・渋谷に集結。平成の歌姫の引退惜しむ。
◆相沢悠太容疑者(21)「現金を拾ったので届けに来た」
19日 仙台市の東仙台交番で発言の直後に清野裕彰巡査長を刺殺、別の警官に射殺された。交番での警官殺害は今年3件目。
◆元神戸市議の橋本健被告(38)「自由に使うお金を手に入れる都合のいい制度だと思った」
21日 今井絵理子参院議員との交際が話題になったが、キャバクラ代などで政務活動費690万円を詐取した詐欺罪に問われた初公判で、起訴内容認める。
◆新潮社「ここ数年、部数低迷に直面し、試行錯誤の過程で編集上の無理が生じ、企画の厳密な吟味や十分な原稿チェックがおろそかになっていたことは否めません」
25日 自民党・杉田水脈衆院議員の寄稿に端を発した、性的少数者(LGBT)への差別的表現で批判が拡大していた月刊誌「新潮45」の休刊を発表。10月号の特集「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」が引き金に。杉田氏は依然沈黙。
◆貴乃花親方(46)「告発状が事実無根だったと認めろと、協会側から有形無形の要請があった」
25日 突然の引退会見。相撲協会と反目したまま、平成の大横綱が角界を去る。
<国際>
◆プーチン・ロシア大統領「シンゾーは、アプローチを変えようと言った。そこで今、思いついた。一切の前提条件を付けず、年末までに平和条約を結ぼう」
12日 安倍晋三首相の目前で、北方領土問題を棚上げしての平和条約締結を提案。不意打ちを食らった首相は即座に反論せず、会合後に反論したというが、ロシア側は否定。
◆北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長「これからは南側と、海外の同胞たちも来なければ」
20日 訪朝した韓国の文在寅大統領と、北朝鮮「革命の聖地」白頭山(ペクトゥサン)に登山。南北融和ムードを2人でアピール。
◆トランプ米大統領(72)「こんな反応は予想していなかったが…。まあ、いいだろう」
25日 国連総会の一般討論演説で「2年弱で歴代政権より多くのことを成し遂げた」と自画自賛を続け、会場内は失笑。
<政治>
◆野田聖子総務相(58)「ふるさと納税は、ショッピングではない。寄付だと分かっていただく」
11日 高額返礼品をやめない自治体を、制度の対象外とする法改正検討を表明。上から目線の発言に、親交がある小池百合子都知事も「地方は国に従えと言わんばかりだ」と反発。
◆斎藤健農相(59)「『石破さんを応援するんだったら、辞表を書いてからやれ』と言われた」
14日 地元の講演で。自民党総裁選をめぐる首相応援団の「圧力」を暴露。手腕への評価は高いが、石破氏の敗北で大臣交代へ。
◆安倍晋三首相(64)「ゴルフに偏見を持っておられると思います。今、オリンピックの種目にもなっていますから」
17日 総裁選のテレビ討論で出演したTBS系「NEWS23」で、利害関係者になる可能性があった加計孝太郎理事長とゴルフを重ねたことを司会者に指摘され「テニスなら、将棋ならいいのか」とも。話をすり替える「ごはん論法」。
◆酒井直人・東京都中野区長(46)「残してほしいと意見も聞いたが、あと15年存続させる工事は、32億円かかる」
18日 音楽の聖地・中野サンプラザの解体方針を発表。築45年で老朽化。解体は24年に始まる。
◆自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長(37)「いろんな情報戦があった。総裁選は武器を持たない戦争みたいなもの。過程ではさまざまなことがあり、日々変わる。どうやって生き抜いていけるようにするか。そんなことも含め、学びのある総裁選でした」
20日 総裁選の投票直前に、石破茂元幹事長の支持を表明。早期表明なら、首相3選の構図を変えた可能性もあった。首相陣営への配慮もにじみ、苦悩の末の判断に「遅かった」の声も。