毎年10月は、「ノーベル文学賞を村上春樹氏がとるか」で日本中が熱くなるが、今年は運営側の不祥事で文学賞見送りに。しかし、ノーベルウイーク初日に本庶佑・京大特別教授(76)の医学・生理学賞での受賞が決定。日本の底力をあらためて示した。11歳の少年が、オセロ世界一になり世界を驚かせたり、内戦下のシリアで武装勢力に3年4カ月拘束されていたジャーナリスト安田純平さん(44)が突然解放されたニュースもあった、10月の言葉から-。
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デスクA 今月は、本庶佑・京大特別教授のノーベル医学・生理学賞受賞の吉報で始まった。
記者A がん治療薬「オプジーボ」の開発につながるタンパク質の発見が評価された。「重いがんから回復した患者に『あなたのおかげ』と言われると、自分の研究に意味があったと何よりもうれしい」と。
記者B 「大事なのは知りたいと思うこと。教科書に書いてあることを信じない」「常に疑いを持ち、自分の目でものを見る」の言葉は心に残った。
デスクB まさに金言。取材の基本でもあるね。
記者C 11歳で、歴代最年少のオセロ世界一になった福地啓介君にも驚いた。
デスクA オセロ界の藤井聡太。10代で浮足だったところがないのも同じ。
記者D 強い人はオセロも将棋と同様、先を読むそうです。我々素人は、たくさんひっくり返せそうな石をまずねらいますが、プロはその先の展開を読んで打つ。それを11歳が、ですよ。
記者E 帰国便の機長は、それまでの最年少記録保持者だった全日空の谷田邦彦さん。「大幅な更新。快挙です」と祝福のアナウンス。小説のような展開でした。
デスクB 大阪・富田林署から脱走し、日本一周と称した逃走中に逮捕、起訴された樋田淳也被告の行状も、だんだん分かってきた。
記者A 「頂いた声援を忘れずに必ず日本一周します」と礼状を書いたり、普通に記念撮影に応じたり。手配写真と雰囲気が違うとはいえ、大胆すぎる。
記者B 昔の逃走犯は整形までして逃げたが、樋田被告は顔をさらした。所持品もすべて盗品。あいた口がふさがらない。
記者D 礼状の内容には意外と文才があるという“評価”も聞いた。やったこととの落差がひどすぎる。
デスクB 日刊スポーツ地元の築地市場が、83年の歴史に幕を下ろした。
記者E 豊洲移転は小池百合子知事の判断で2年遅れ。水産仲卸「山治」の山崎康弘社長は「移転で50人の目利きが引退した。都には、世界一の市場をつくると気概をもっと持ってほしい」と話していました。
記者C 小池氏は先日、アポなし視察で現実の課題を目にした。不便な交通も改善してほしい。
記者D でも、あの清潔さは評価する。何でも歴史はゼロから始まるんだよ。
デスクC 免震・制震装置のデータ改ざんも、拡大しそうだ。20年東京大会の予定会場でも同型が使われ、不安が広がっている。
記者E KYB側は、検査不適合品の分解、再調整に5時間かかるとした上で「生産計画を守ろうと改ざんを軽く考えた」とあきれた言い訳をしていました。
デスクB 臨時国会も始まったが、「口利き疑惑」の文春砲を受けた片山さつき地方創生担当相はどう?
記者A 早々と文春を提訴して説明を避けていますが、野党の集中攻撃は確実。他にも政治とカネの問題が指摘された大臣がいる。「待望組」を起用したらこのありさまで、首相の任命責任も問われそうです。
【社会】
▼ZOZOの前沢友作社長(42)
「ぶっちゃけ『私も行きたいな』と言っています」
9日 「スペースX」と契約した月周回旅行をテーマに、日本外国特派員協会で会見。恋人の女優剛力彩芽の願望を暴露。
▼築地市場営業権組合の業者や支援者
「築地市場は営業しています」
11日 都が閉場を主張する築地市場で、買い物ツアー実施。職員の制止に猛反発。
▼東京電力福島第1原発事故の業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の元副社長、武藤栄被告(68)
「先送りしたと言われるのは心外だ」
16日 被告人質問で。震災前の08年6月に15・7メートルの津波が襲う可能性の報告を受けていた。
▼藤井聡太七段
「最後のチャンスでしたので、優勝という形で卒業できたことをとてもうれしく思います」
17日 16歳2カ月で新人王戦優勝。最年少記録を31年ぶり更新。
▼皇后さま(84)
「読み出すとつい夢中になるため、これまで出来るだけ避けていた探偵小説も安心して手元に置けます。ジーヴスも2、3冊待機しています」
20日 84歳の誕生日に際し、来年の退位後の楽しみを英作家P・G・ウッドハウスの小説を読むことと、ご回答。刊行する国書刊行会と文芸春秋には、問い合わせや注文が殺到している。
▼河瀬直美監督(49)
「私が映画監督になったのは、このためなんじゃないかと思うぐらい」
23日 東京オリンピックの公式記録映画監督に選出。64年大会は、市川崑監督が務めた。
▼ジャーナリスト安田純平さん(44)
「地獄ですよ」
25日 解放後、武装組織に拘束された日々を振り返る。
【政治】
▼安倍晋三首相(64)
「全員野球内閣だ」
2日 第4次安倍改造内閣に命名も、大臣待機組を派閥均衡的に起用した「在庫整理」の結果、閣僚19人中初入閣12人ながら新鮮さがない、珍妙な事態に。
▼加計孝太郎・加計学園理事長
「物事が前に進まず、(事務局長が)勇み足で誤解を招くようなことを申した」
7日 会見で獣医学部設置に言及。虚偽説明が学部設置を後押ししたにもかかわらず、平然と「勇み足」発言で、記者が猛追及。「覚えていない」「見ていない」と無責任な発言も。
▼小泉純一郎元首相(76)
「できないことをやろうとして、できることをやろうとしない。分からない」
8日 BS朝日の公開収録で自民党内にも異論ある憲法改正に意欲をみせ、野党が賛成する原発ゼロに消極的な首相に苦言。
▼玉城デニー沖縄県知事(59)
「翁長前知事が政権との対話による協議で苦労されたことを考えると、就任8日で対話の第1歩が踏み出せたことは、ありがたい」
9日 知事初当選から8日で、首相と面会。翁長前知事は4カ月待たされた。普天間飛行場の辺野古移設では、議論平行線。
▼文部科学省の藤原誠事務次官
「『面従腹背』はやめましょう」
16日 2代続けて事務次官が途中辞任の同省で、新次官に。前川喜平元次官の「座右の銘」を否定する。
▼立憲民主党の辻元清美国対委員長(58)
「ライトしか守備がおらず、右にしか打てない打者ばかり。公平公正な政治ができるのか疑問だ」
17日 第4次安倍改造内閣の顔ぶれを痛烈に皮肉る。
【国際】
▼イラク北部出身の人権活動家、ナディア・ムラドさん(25)
「声を上げられない人の声になり、正義を求める人々のために立ち上がる」
8日 イラク少数派ヤジディ教徒で、イスラム国(IS)に性奴隷として拘束されながら、生還。実名で性暴力の根絶を訴え、ノーベル平和賞受賞が決定。
▼トランプ米大統領(72)
「テイラーの音楽が、25%ぐらい嫌いになった」
8日 政治的立場を明言してこなかった歌姫、テイラー・スウィフトが一転、中間選挙で民主党支持を表明。批判は控えめだが、明らかに不満顔。
▼トルコのエルドアン大統領(64)
「計画的な殺害で、残酷にも殺された」
23日 サウジアラビア政府に批判的なサウジ人記者カショギ氏が、イスタンブールのサウジ総領事館で死亡したのはサウジ側の殺害と明言。当初は関与を否定までしたサウジは、どんどん追い詰められている。