河野太郎外相(55)が15日、ブログに「次の質問をどうぞ」と題した文章を上げ、11日の会見で、日ロ関係に関する記者の質問を4回無視して「次の質問どうぞ」と回答を拒否した件について「私の12月11日の記者会見での質問への答え方について、さまざまなお叱りをいただきました。おわびして、しっかりと反省すべきところと、若干の説明をさせていただきたいところがあります」と謝罪した。

河野外相は、日本が北方領土をロシア領と認めることが平和条約締結交渉入りの条件とした、ロシアのラブロフ外相発言への感想を記者に問われた際、発言の受け止めや反論の意思の有無について問われ「次の質問どうぞ」と返し、「次の質問どうぞ」と答える理由を聞かれても「次の質問どうぞ」と完全にスルーし、説明責任を果たしていないと波紋が広がっていた。

河野外相は「ご批判は2つあります。1つは質問への答え方が悪い、あるいは質問を無視しているというご批判、もう1つは説明責任を果たしていないというご批判です」と、批判のポイントが2つあるとした上で、それぞれについて説明した。

(1)質問への答え方が悪い おわびして、しっかりと改めます。日露の条約交渉に関しては、国会でも一貫して答えを差し控えさせていただいています。また、記者会見でもそれまで累次にわたり、日露交渉に関する質問をされてもなにもお答えできませんということを申し上げて来ました。(中略)それでも記者には質問する権利がありますから会見で質問が出るのは構わないのですが、11日の記者会見では、その質問には答えられませんという意味で「次の質問をどうぞ」と答えたのです。せめていつものように「お答えは差し控えます」と答えるべきでした。

(2)説明責任 ご理解いただきたいことがあります。まず、交渉を前にして、政府の方針やゴールを公に説明していないというご批判がありましたが、これはできません。こちらの手をさらしてポーカーをやれというのと同じで、日本の国益を最大化する交渉ができなくなります。(中略)もし、交渉の責任者である私がそれ以上何か言えば、必ず、ロシア側でメディアがその発言を取り上げ、それについてのコメントをロシアの政治家に求めるでしょう。それがロシアの世論に影響を与えれば、交渉にも影響が及びます。だから、日本側の主張は交渉の場で申し上げ、それ以外の場では発言を差し控えようというのが、現在の政府の方針です。

河野外相は、説明責任を果たしていないという批判に対しては「もちろん、時機がきたらしっかりと丁寧にご説明することは言うまでもありません」と、北方領土問題についてタイミングを見て説明することを約束した。その上で「説明責任を果たしていない、ダンマリを決めこんでけしからんというご批判があることは承知していますが、現時点で日露の交渉に影響が出かねないことについて発言は差し控えているということをご理解いただきたいと思います」と訴えた。