東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の旧経営陣3人に対する公判が27日、東京地裁(永渕健一裁判長)で行われた。

この日は被害者参加制度に基づき、遺族の代理人弁護士が意見陳述を行い、原発から約4・6キロ離れた双葉病院(福島県大熊町)の患者が、バスで10時間超にわたる避難を余儀なくされ、車内で亡くなった人もいたなど当時の様子を語り「命を奪われた被害者の無念は晴らされない」と訴えた。元会長の勝俣恒久被告(78)ら3被告は表情を変えず聞いていたが、原発を運転停止すれば事故は防げたのに、しなかったのは停止リスクを回避するためと指摘された場面では、勝俣被告が弁護人をにらむ一幕もあった。