平成最後の年越しとなる12月31日夜、東京・渋谷駅周辺ではカウントダウンイベントが行われた。周辺は身動きできないほどの人混みとなり、一部では、警察の規制を来訪者の集団が強行突破するなど混乱もあった。

午後11時過ぎから来訪者がみるみる増加しスクランブル交差点一帯は人がすし詰め。駅の反対に位置するモヤイ像側から交差点に入る道を封鎖されたが、カウントダウン直前に、規制の外にいた若者らが数百人、強行突破。直後に若者や外国人らのカウントダウンの絶叫が鳴り響いた。

一帯は午後9時に車両通行止めにされ、10時30分にホコ天に。DJポリスを含め、交差点だけでも警察官100人ほどで交通整理する厳戒態勢だった。

カウントダウンのホコ天イベント化は3年目。昨年の10万人を超える人出が予想されたため、警視庁や実行委は警備増員や複数イベントで人の流れを分散する対応を取った。109前では新日本プロレスのイベント、スクランブル交差点と西武前ではライブ映像などが流された。そんな対応もあってか、ハロウィーンにも来たという20代男性は「年越しの方が、雰囲気も安心な感じ」と話した。

一方で混乱もあり、地元にもまだ警戒感は残る。渋谷センター商店街振興組合の小野寿幸理事長は「鉄道の終夜運転や、初詣に流れる客などがいるため、ハロウィーンより混乱が少ないだけ」と分析。一部の来訪者が騒ぎを起こすことは変わらないと指摘し「にぎわうのはいいが、うるさい、怖い街のレッテルを世界に発信されると困る。20年東京五輪で秩序を守るためにも、やりたい放題は許してはいけない」と話していた。【大井義明】