昨年末から日本列島周辺の海で「幻の深海魚」こと、リュウグウノツカイの発見が相次いでいる。昨年12月に神奈川・江の島の定置網にもかかり、新江ノ島水族館(同藤沢市)が28日から標本の公開を始めた。

同水族館によると、12月13日に地元漁師が定置網にかかっているリュウグウノツカイを発見した。搬入時までは生きていた。魚体の後ろの方が切れていて体長は55センチ。切れていなければ全長80センチ程度という。同水族館のリュウグウノツカイの報告は過去9例ある。近年では11年1月に同小田原市米神沖で全長1・8メートルの個体が定置網にかった。

リュウグウノツカイは、蛇のような細長い体と頭から伸びた赤いひれが特徴。

体長は数十センチ程の小型から4メートル以上の大型までいる。主に太平洋やインド洋の水深200~1000メートルの深海で生息し、人目に触れることが少ないため「幻の深海魚」と呼ばれているが、昨年12月頃から青森や富山、京都なでも発見が相次いでいる。深海魚などの珍しい魚が頻繁に発見されると「大地震の予兆」として取り沙汰されるが、真相は不明だ。

同水族館の広報担当者は「江の島に現れた貴重な深海魚リュウグウノツカイの標本をぜひ、間近でご覧ください」と話した。