大阪府警は6日、大阪市東淀川区で2歳だった長女に暴行を加え、死亡させたとして傷害致死罪で18年12月に起訴された、職業不詳今西貴大容疑者(30)を17年11月から12月にかけて、長女の左足を骨折させ、性的に虐待したとして、傷害と強制性交致傷の疑いで再逮捕した。捜査1課によると、同容疑者は調べに「意味が分からない」などと容疑を否認している。

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今西容疑者の再逮捕容疑は、17年11月14~16日までの間、自宅周辺で長女の左足に全治3カ月の骨折を負わせた疑いと、同12月10~16日までの間、自宅で長女に性的暴行を行い、体に全治1週間の傷を負わせた疑い。長女は同16日に病院へ救急搬送され、同23日に死亡した。

今西容疑者は調べに「一切、心当たりがありません」「全く関係ない」などと答え、長女の左足を骨折させたことも性的暴行も、ともに容疑を否認している。

今西容疑者は、18年11月27日に殺人容疑で逮捕され、同12月8日に傷害致死罪に切り替えられて起訴された。同26日に保釈されたが、一貫して「全く関係ない」と容疑を否認している。

捜査関係者によると、今西容疑者は17年9月に妻と結婚。妻の実子だった長女とも養子縁組したが、養子縁組したのは左足を骨折させたとされる同11月と、性的暴行を加えたとされる同12月の間の12月8日だった。今西容疑者の妻は、同容疑者の逮捕後、任意の聴取に対し、「(夫は)虐待はしていない」と説明していたという。

捜査1課は、今西容疑者を殺人容疑で逮捕した18年11月以前に、長女の遺体に性的暴行が加えられた形跡があったことを把握。同容疑者は調べに対し、容疑の全てを否認する姿勢を貫いているが、捜査関係者は複数の医師の意見を聞くなど慎重に捜査を進めた上で、今回の強制性交致傷と傷害の疑いでの再逮捕に踏み切った。【村上幸将】

○…東淀川区の児童相談を受ける、大阪市こども相談センターは、17年12月16日に今西容疑者の長女が搬送された病院から「虐待の疑いがある」と連絡を受けて、事態を把握したという。その後、調査に入ったが同23日に長女は亡くなり、同容疑者と妻に話をしたいと打診したものの、断られたという。関係者は「それ(病院の連絡がある)までは全く取り扱っていなかった。(両親への聴き取りは)亡くなった後でしたし、任意ですので、強制できませんでした」と説明した。