4月1日に日本の囲碁史上最年少の10歳0カ月30日で初段になる、小学4年生の仲邑菫さん(9)が20日、都内の日本棋院東京本院で、台湾でトップモデルを務め、囲碁でも女性世界トップクラスの実力を持つ台湾の黒嘉嘉(コク・カカ)七段(24)と記念対局を行い、敗れた。

対局は、持ち時間各10分、使い切った後は1手30秒、途中1分の考慮時間を双方10回ずつ、というルールの中、ハンディをもらって先手となった。序盤から激しく競り合い、1手打ち間違えれば確実につぶれてしまう展開。昨年、日本・中国・韓国・台湾・欧州の女流棋士による国際棋戦「第1回SENKO・CUPワールド碁女流最強戦」で準優勝した強豪と、互角に渡り合った。

元名人で観戦に訪れた武宮正樹九段(68)は、「実力的にはまだまだだが、よく頑張った。根性がある」と戦いぶりをたたえた。

また、立会人の藤沢里菜女流3冠(女流本因坊・女流立葵杯・女流名人=20)は、「途中、優勢だと思った。これから注目されると思うし、棋譜を見るのも、実際に対局するのも楽しみ」と、ニュースターの登場を歓迎した。台湾出身で日本棋院所属の女流棋士として最多、27期のタイトル獲得経験がある謝依旻(しぇい・いみん)六段(29)も、「最後の勝負どころでおかしくしただけ。いつ挑戦者決定争いに勝ち上がってきても驚かない。近い将来、戦ってみたい」と話していた。