日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)が6日午後、108日ぶりに身柄の拘束を解かれた。

会社法違反(特別背任)などの罪で起訴され、東京拘置所(東京都葛飾区)に勾留中だったが保釈保証金10億円を納付して保釈された。作業服で変装し、軽ワゴン車に乗り込み、報道陣を引き連れて都内を駆ける前代未聞の保釈劇となった。

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東京拘置所から保釈されたゴーン被告が、最初に到着したのは千代田区のビル。弘中惇一郎氏らとともに弁護団に名を連ねる、高野隆弁護士の事務所だった。

高野氏は、刑事弁護の経験が豊富で「刑事弁護界のレジェンド」と呼ばれる人物だ。理詰めの論法が持ち味で、オウム真理教による地下鉄サリン事件などに関与したとして殺人罪などに問われた元信者の主任弁護人を務めたほか、埼玉・本庄市で起きた保険金殺人事件を担当。日本弁護士連合会(日弁連)裁判員実施本部座長も務めた。

「無罪請負人」弘中氏と、「レジェンド」高野氏を擁した弁護団は、検察にとってかなり手ごわい相手となるとみられる。