2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの巨大シンボルを臨海部に設置する計画で、お台場海浜公園(港区)前の海域に台船を用いて浮かばせることが27日、大会関係者への取材で分かった。今月末に都が発表する。巨大シンボルは大会開催に合わせて街を装飾し、機運醸成を図る「シティドレッシング・大規模展示物基本計画」の肝で、東京大会を象徴する風景として、重要な役割となる。

幅20~30メートルの巨大五輪シンボルが、お台場の海に浮かぶ。お台場海浜公園前の海域に台船を入れ、その上に巨大シンボルを設置する。

同公園は大都市の中心にありながら砂浜があり、日頃から多くの外国人観光客が訪れるスポット。周囲には東京を象徴する風景が広がっている。すぐそばにはレインボーブリッジ、海の対岸には高層ビル群が立ち並び、東京タワーも見える。大会を放映する国際映像にも映えると判断された。同公園はマラソンスイミング、トライアスロン(五輪・パラ)の競技会場でもある。

お台場の巨大シンボルは、高尾山(八王子市)のものと同様、東京を象徴する場所として、他に先がけ20年1月ごろから設置。五輪イヤーの幕開けとともに、機運醸成を図る。

臨海部は今大会から採用された都市型スポーツの競技会場が集積する場所。さらに、競技期間中に聖火をともす聖火台を有明地区に設置するなど、都や大会組織委員会は臨海部に東京大会を象徴する計画を相次いで打ち出してきた。東京大会に競技会場が1つの場所に集まる「五輪公園」は整備されないが、同様の盛り上がりを臨海部につくり出したい考えもある。

五輪・パラのシンボルマークはライブサイトが整備される代々木公園、井の頭恩賜公園や、羽田空港・成田空港の国際線到着ロビーにも設置。日比谷公園には園芸装飾でシンボルが描かれる。大会マスコット像もJR高輪ゲートウェイ駅前、東京都庁、多摩・島しょ部に設置。これらは開幕を翌月に控えた20年6月から設置し、大会の雰囲気を盛り上げる。