菅義偉官房長官は1日、官邸で会見し、「平成」に代わる新元号を「令和(れいわ)」と発表した。

菅官房長官は、定刻の午前11時30分から10分遅れて官邸の会場に現れた。「国民に受け入れられ、日本人の生活の中に深く根差すよう努める」とゆっくりとした口調で述べた。

菅官房長官は、「令和」の意味について説明。新元号の出典は「万葉集」だと明らかにした。新時代の元号は、中国ではなく日本の古典から採用されたのは確認される限り、初めてとなる。

1日の新元号選定手続きに示された政府の元号原案は、新元号となった「令和」を含めて「5つ」あったことを明かした。

1日午前9時半から開いた有識者懇談会で、ノーベル医学生理学賞を受賞した京大の山中伸弥教授、直木賞作家の林真理子さんらから意見を聴取。大島理森衆院議長、伊達忠一参院議長の意見聴取も踏まえ、全閣僚会議で協議、臨時閣議で新元号を決定した。

645年の「大化」から現在の「平成」まで、247の元号のうち、確認できるものはすべて中国の古典が出典元だった。一方、今回政府は、新元号の考案を委託した専門家を、国文学、漢文学、日本史学、東洋史学と明かし、首相の支持基盤でもある保守層からは、初めて日本古典が選ばれることへの期待が出ていた。