戦争による北方領土の奪還論に言及して日本維新の会を除名処分となり、野党6党派による辞職勧告決議案を提出された丸山穂高衆院議員(35)と同姓の国会議員、自民党の丸山和也参院議員(73)や事務所に、今回の問題が発生以降、とばっちりともいえる抗議が数多く寄せられていることが17日、分かった。

丸山参院議員の事務所によると、丸山氏の「戦争」発言が大々的に報じられるようになった今月14日以降、抗議やクレームの電話が相次ぎ、その数は、これまでに数十件に及ぶという。

「丸山違い」から生じた事実誤認であることから、この間、丸山参院議員のスタッフは、説明に追われてきた。丸山参院議員は早大法学部出身だが、丸山氏と同じ東大経済学部出身のOBが苦情の電話をかけてきたこともあったという。事務所としては、想定外の事態に巻き込まれた格好になった。

17日に野党が辞職勧告決議案を提出し、今後も丸山氏に関する報道は続く。事態を重く見た丸山参院議員の事務所はこの日、丸山氏と丸山参院議員は別人であることを踏まえた報道を、メディア各社に要請する文書も発表。「丸山氏」では区別がつきにくく、誤解を生む要因になっていることから、フルネームを表記するよう理解を求めている。

丸山参院議員は弁護士出身。日本テレビ系「行列の出来る法律相談所」に出演し、人気者になった。07年参院選比例代表に、自民党から出馬し、初当選し、今夏の参院選で3期目を目指し改選を控えている。今回の事務所の要請文書発表も、参院選を前に、早期の「風評被害」払拭(ふっしょく)が必要と判断した側面も、あるようだ。