安倍晋三首相は、官邸で大雨に関する閣僚会議を終えた後、国政選挙で4度目となる福島県に向かい、第一声。福島市の果樹園で選挙遊説のスタートを切った。

福島は与野党一騎打ちの1人区で、激戦区の1つ。首相は、東日本大震災からの復興や風評被害の払拭(ふっしょく)を誓い、震災発生時に自民党が野党だったことに触れた上で「福島は政権奪還の原点だ」と、強調した。安倍政権で日本経済が上向いた実績を連ね、旧民主党政権時代と比較して酷評する定番の主張を繰り返し「大切なことは財源をもって実行していくことだ。あの時代に後戻りすることはできないんです」とも訴えた。

首相はこの日、福島、宮城両県を遊説したが日程は党のホームページ(HP)で、公表されなかった。二階俊博幹事長ら幹部の遊説日程が記されているが、首相だけない。17年衆院選前の遊説でも、首相の遊説日程は公表されず「ステルス作戦」と波紋を広げたが、公示後は日程を公開した。

同年夏の東京・秋葉原の遊説で首相に激しいヤジが飛び、今回も警戒している可能性があるが、選挙が始まっても、日程を非公表とするのは異例。党側は、具体的な演説会場やHPに掲載するかどうかも含め「まだ決まっていない」としている。