参院選で初当選した、重い障がいがある「れいわ新選組」の舩後靖彦氏(61)、木村英子氏(54)の8月1日の臨時国会初登院を前に、参議院に大きな課題が浮上している。

木村氏が26日、現在、生活全般にわたり利用する「重度訪問介護サービス」が、国会議員になると受けられなくなると言及。介助費の負担をめぐる議論の必要が出てきたことで、参院議院運営委員会は29日の理事会で、同サービスに関する勉強会を30日に開き、厚労省などからヒアリングすることを決めた。

同制度は「通勤、経済活動にかかる支援」を公的補助の対象外としており、歳費を受ける議員活動は「経済活動」と見なされる。木村氏は現状では初登院は困難との認識を示し、サービスの継続を、厚労省や参議院に要望。山本太郎代表も要望書を提出している。

参院では議場のバリアフリー工事などハード面の整備はほぼ完了したが、介助費負担問題は「議論がなされていなかった」(関係者)。厚労省は「現行の制度では対応は難しい」との立場で、根本匠厚労相も29日の会見で「現行制度を理解してもらい、参院が対応を考えるべきだ」と述べた。今後、参院の負担の可否を含めた協議となる見通しで、議運委は、今月31日までに結論を出したいとしている。【中山知子】