将棋の第69期王将戦2次予選決勝、藤井聡太七段(17)対谷川浩司九段(57)戦が1日、関西将棋会館で始まった。藤井は、勝てば初の挑戦者決定リーグ入り。谷川は歴代単独3位となる公式戦通算1325勝の大記録がかかる。ともに中学2年でプロになった「天才棋士」同士の初対局となる。

振り駒の結果、藤井の先手に決まった。午前10時、お互いに深々と一礼し、藤井はいつものようにお茶を一口すすり、心を整えてから飛車先の歩を突いた。谷川は飛車先の歩を突き返した。

谷川は永世名人資格者で王将4期、タイトル通算獲得27期、83年には史上最年少の21歳で名人になった将棋界のレジェンド。

語り草になっているエピソードもある。藤井が小学2年のとき、名古屋市内で行われた将棋イベントで谷川に指導対局を受けた。形勢不利になった藤井少年は、谷川に「引き分けにしようか」と提案された瞬間、将棋盤に覆いかぶさって泣きだした。

あれからわずか9年。対等の立場で盤を挟む機会が来た。あこがれの棋士でもある谷川との初対局に藤井は「対戦をうれしく思います。コンディションを整えて臨みたい」。注目の対局が静かにスタートした。

持ち時間は各3時間。夕方には決着する見込み。