第4次安倍再改造内閣は11日、発足した。お友達&待機組在庫消費の顔ぶれで、唯一の目玉になった小泉進次郎環境相は「仕事をします。働きます」と、やる気をみせた。検討する育休取得について「公務最優先」「万全の危機管理」「妻の不安払拭(ふっしょく)」の3点が両立できる形を目指すという。安倍晋三首相は「安定と挑戦内閣」と命名したが、「挑戦」担当の人気者・進次郎氏を取り込んだのは、早期の衆院解散・総選挙に踏み切るためではとの臆測も出ている。

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国会議員10年を機に、緑から一新したイメージカラー青のネクタイで、官邸入りした進次郎氏。

9日、首相に環境相での入閣を打診された。距離感が指摘される相手だが「理屈じゃない。よろしくお願いしますと、自然と体から言葉が出た感じ」と振り返った。

首相には「発信の方もよろしく」と伝えられた。環境分野は、気候変動や海洋プラスチックごみなど世界的課題が多く、今後、国際会議でのスピーチも見込まれる。進次郎氏は「環境省は社会変革が仕事で、社会改革担当の思いもある。環境は日本が世界に売れる分野だが、国内の扱いは小さく、ギャップを埋めたい。やりがいも課題も含めて、挑戦だ」。役所での初会見では「環境省に発信力がなくもったいない。発信の強化。それが私が任命された1つの理由」と話した。

8月末、第1子誕生後の育休取得に言及したが「検討しているか問われ、検討していますと言った。それで賛否両論の騒ぎになるとは日本は固い、古いね」。公務最優先、危機管理対応、妻の不安払拭(ふっしょく)が両立可能な形を模索すると述べた。育休取得者の鈴木英敬三重県知事に、1人目の時は合計5日、2人目の際は3カ月、30分出勤を遅らせたと聞いたとし「大臣になったから家のことはよろしくではなく、家のことも頑張る。妻(滝川クリステル)と話し、いい形を考えたい」と述べた。

滝川について「(結婚した)先月から環境の変化が著しい。ストレスや負担にならないよう、支えたい」。父純一郎氏には「良かったな。環境問題は大事。最高じゃないか」と言葉をかけられたという。初入閣で注目が高い分、結果を残せないと、キャリアにも影響する。「今日の1歩は、結果や真価が問われる1歩。働きます」と引き締めた。

原子力防災担当も兼務し、12日に福島県で内堀雅雄知事と会談する。前任の原田義昭氏が、東京電力福島第1原発の処理水について「海洋放出しかない」と発言、漁業関係者に批判が広がる。進次郎氏は、個人的意見で所管は経産省とした上で「福島の方の気持ちをこれ以上傷つけることがないような議論を進めないといけない」と主張。原発への考えを問われて「どうやったら残せるかではなく、どうやったらなくせるかを考えていきたい」と、踏み込んだ。【中山知子】