「NHKから国民を守る党(N国)」党首の立花孝志参院議員(52)が8日、議員辞職し、参院埼玉選挙区補欠選挙(10日告示、27日投開票)に出馬する異例の“戦術”を発表した。

補選には上田清司前知事(71)が無所属で出馬を表明しており、自公が独自候補の擁立を断念したことから「無風」とみられていたが、立花氏参戦で一転、乱戦模様となりそうだ。

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立花氏は、知事を4期16年務め、知名度も高い上田氏とどう戦うのか。1つの鍵が、投票率だ。埼玉の選挙は低投票率傾向で知られるが、県選挙管理委員会は8月の知事選で、人気漫画「翔んで埼玉」とコラボレーション。漫画のキャラクターが登場した動画で広報した結果、投票率は16年ぶりに30%を超えた。選管は補選も再びタッグを組み、「補選で埼玉」とPRする。「翔んで-」効果を、立花氏が幅広い支持獲得につなげられるか、正念場だ。

N国は7月夏の参院選比例で約98万票を獲得し立花氏が議席を得たが、トップ当選が約79万票だった埼玉選挙区で、N国候補は8万票どまり。上田氏は15年県知事選で約89万票を獲得しており、立花氏の勝利へのハードルは高い。上田氏は無所属で出馬し、立民、国民民主両党の県連が支援するが、擁立作業の難航で異例の「不戦敗」を決めた自民党の二階俊博幹事長と近く、安倍政権が掲げる憲法改正にも前向き。党派を超えた支持を目指している。