恒例の都道府県魅力度ランキングが17日、発表され、7年連続10度目の最下位となった茨城県の大井川和彦知事が「台風19号による被害が広範囲にわたり、本県を含め深刻な状況となっているタイミングで発表されたことは、被災者の気持ちを考えれば、はなはだ遺憾」と怒りのコメントを出した。茨城県は台風19号で2人が死亡、1人が行方不明になっている。

これまで茨城県は魅力度ランキングを逆手に取り、「47位の県? 上等でございます なめんなよ いばらき県」「のびしろ日本一。いばらき県」などのキャンペーンを展開。17年には「県の魅力について考える機会を与えてくれた」として調査を行っているブランド総合研究所に「いばらきイメージアップ大賞」特別賞を授与している。

しかし、今回は台風被害に加え、部局を横断した新組織「営業戦略部」を昨年立ち上げて県全体で魅力度向上に取り組んでいただけに、順位に反映しなかった不満が爆発したようだ。「豊かな自然、暮らしやすさといった本県の魅力の実態を十分に反映しているとは考えられない」「県のイメージを著しく損なっている」「この調査がどのような方法で行われているのか精査し、適切な対応を考えたい」と知事は不快感をあらわにしている。

知事の異例のコメントについて、ブランド総合研究所では「県知事の気持ちは分かるが、各自治体の来年度の予算編成に合わせるため、10月中旬に発表している。遅らせることはできない。また、我々の調査は消費者視点での調査で、県の自己評価と乖離(かいり)があって当然」と話している。【中嶋文明】