台風19号が東京都内に上陸した12日、自主避難所に避難した路上生活者(ホームレス)2人を区民ではないとして拒否した、台東区の服部征夫区長(76)が21日、台東区議会決算特別委員会総括質問の席上で、区の対応を謝罪した。

服部区長は、総括質問の冒頭で「この度の台風19号において、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された多くの皆様に、心からお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧をお祈りいたします」と口にした。その上で「また台風19号の際に、路上生活者の方に対する対応が不十分であり、避難できず、不安な夜を過ごされた方がおられたことにつきましては、大変申し訳ありませんでした」と謝罪した。

今回の台風19号に対し、台東区は自主避難所を4カ所、東京都と連携して一時滞在施設を2カ所、開設した。服部区長は「地域以外の方、路上生活者など、様々な方が訪れることを、あらかじめ想定できなかったことなど、反省すべき点、課題が見つかった。区では今回の事例を真摯に受け止め、庁内において検討組織を立ち上げ検討を開始しました」と区として対策を始めたことを明らかにした。その上で「関係機関等とも連携し、災害時に全ての方を援助する方策について検討し、対応を図ってまいります」とした。

ただ、服部区長の説明は、同区が路上生活者の避難所への受け入れを拒否した事実関係を認めた15日に発表したコメントから、大きな進展は見られなかった。【村上幸将】