2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる国立競技場のオープニングイベントが21日、行われる。復興庁が敷地内にPRブースを出展。「復興五輪」とも位置づけられた東京五輪・パラリンピックに向け、東日本大震災からの復興をアピールした。

出展ブースでは、人気スープ店「スープストックトーキョー」とコラボし、被災3県産食材を使用したスープ2種600セットを無料配布。さらに、被災3県の花を使用したフォトスポットを設置した。

スープは「釜石産ホタテと郡山野菜のクリームスープ」と「女川産さんまと郡山野菜のトマトシチュー」の2種類。復興庁と提携した「スープストックトーキョー」がこの日限定のメニューを作った。限定スープを味わおうと、すぐに行列ができた。

「スープストックトーキョー」商品部の松尾琴美さん(33)は「ホタテは『泳ぐホタテ』というブランドもので、生で食べられるいきがいいものを使用しました。女川のさんまは日本一質が良いと言われています。野菜は土作りからこだわり、土地に合った品種として育てられたものを使っています」と説明。国立競技場オープニングイベントでの限定メニュー提供について「お披露目の場で、東北のおいしいものを提供できてうれしい。おいしさを知ってもらえる機会になれば」と話した。

女川産さんまを使用したつみれを提供した宮城県女川町のワイケイ水産取締役の木村悦子さん(58)もブースに足を運んだ。「東日本大震災から8年たちましたが、こういったイベントで被災地にも目を向けていただき、私達の経験が無駄にならないよう生かしてもらえれば」と話した。横浜市から夫婦で来場した無職男性(63)は「すごくおいしいです。復興が伝わってる。復興に向けて頑張っていらっしゃることが伝わってくる」と笑顔でスープを味わっていた。

また、被災3県の花を利用したフォトスポットは、福島県産トルコキキョウなど計18種類の花が彩った。栃木県から夫と娘2人と一家4人で来場し、記念撮影していた会社員臼井美和さん(44)は「東京五輪は復興五輪と言われるので、(復興が)五輪と一緒に盛り上がることはいいことですね」と話した。復興庁担当者はフォトスポットについて「福島県産のトルコキキョウなどは復興の象徴にもなりました。嵐さんがライブをすることもあって若い人たちが大勢集まるので、インスタ映えも狙い、写真を撮ってもらおうと、たくさん花を用意しました」と説明した。

また、復興庁担当者はPRブース出展について「食材、花をしっかりと楽しんでもらえるようにしました。まず、被災地の花や食材を知って見てもらって、被災地の復興の後押しをしていきたい」と話した。