「新宿の母」と呼ばれた人気占い師・栗原すみ子さんが19日午後10時4分、誤嚥(ごえん)性肺炎のため、都内の病院で亡くなっていたことが24日、分かった。89歳だった。

息子で「新宿の母」二代目の栗原達也さん(65)によると、栗原さんは「胸が苦しい」と訴えて11日に入院。日ごとに弱っていき、亡くなる3日前から問いかけに応じなくなった。長年連れ添った同居の男性にみとられて亡くなった。

1958年(昭33)から東京・伊勢丹新宿本店横で50年にわたって占いを行い、「新宿の母」と親しまれた。鑑定者数は延べ420万人以上。達也さんによると、栗原さんは約10年前まで、街頭に立ち続けた。最近は雑誌やWEB連載の仕事が中心。呼吸器系が弱く、年に数回、入院することもあったが、11日の入院直前まで仕事を行っていた。

栗原さんは生前、「占い師とは人を幸せに導く職業」と語っていた。達也さんによると「私が新宿の母として長生きすれば、人々に幸せを与えることができる」と言い、1日3回、自室で体操や発声練習を行うなど、健康に気遣っていた。栗原さんと最後に話したのは10日の朝食時。栗原さんは手掛けたユーチューブ占いのアクセス数の多さに触れ「あんたは大したことないけど、私はすごいね」と話していたという。

通夜は28日、葬儀・告別式は29日に都内で営まれる。喪主は達也さん。