自民党の現職国会議員が収賄容疑で逮捕されたことに、与党内では政権中枢の責任を指摘する声が出始めた。ある自民党幹部は、IRを成長戦略と位置付けた安倍政権の方針が遠因になったとの見方を示し「菅義偉官房長官ら政権幹部の罪は重い」と指摘。白須賀、勝沼両氏らが関係先として家宅捜索を受ける事態になり「さらに芋づる式に広がるのではないか」(関係者)と、不安の声もある。

一方、同容疑者が所属した二階派の二階俊博幹事長は、「党として大変残念。慎重に(捜査を)見守らないといけない」と述べた。議員辞職は「これからの本人の判断」と述べるにとどめた。菅官房長官は会見で「できるだけ早期にIR整備による効果が実現できるよう着実に進めたい」と強調。IR事業を担当する政府関係者と民間事業者の接触は、一概に禁止されるものではないと訴えた。

公明党の山口那津男代表は「副大臣在任中の出来事だったとすれば、あるまじきことだ」と訪問先のミャンマーで記者団に指摘。IR整備をめぐっては来年1月、政府が基本方針を示した上で、計画認定に向けて本格的に動き始める予定だが、そのさなかの逮捕劇だけに来年の通常国会での議論に影響する恐れもある。