安倍晋三首相は28日の衆院予算委員会で、政府が全世帯に2枚ずつ配布する布マスク「アベノマスク」を付けて質問した立憲民主党の大串博志議員から、使い心地を酷評され、強い不快感を示しながら反論した。

大串氏は冒頭、自宅や事務所に届いたという布マスクをつけて質問に立った。複数の場所に届いたことに疑問を呈しつつ「さすがに小さいな。横があくなと思う」と、感想を述べた。加藤勝信厚労相との質疑を続ける中で、自身の地元(佐賀2区)の縫製工場がつくってくれたというマスクに付け替え。「空気を吸うことがなかなか難しいので、マスクを替えました」と、皮肉まじりに説明した。

この大串氏の発言に、安倍晋三首相が反応。自身との質疑になった際に「最初に『息苦しい』と言われたが、私は全然息苦しくない。意図的に、(布マスクを)おとしめる発言はやめてほしい」と、大串氏を批判した。質問内容には直接リンクしない布マスクの利点の説明について答弁書を読み続けたため、野党側は「時間稼ぎ」と、激しいやじをとばした。

すると首相は「答弁をじゃまされては、冷静なやりとりにならない」と反発。「(布マスクを)評価するような話は、やじでじゃまされる。どういう評価を得ているかを話しているのに、ただちに妨害されるのは遺憾だ」などと主張した。

「大串さんは地元でマスクを手に入れられるかもしれないが、多くの人は手に入らないと思っている」とも主張。「布マスクは十分ではないかもしれないし、毎日洗わなくてはならずご不便をかけるかもしれないが、まずは2枚を手元に置くことで、安心が生まれる」と配布の意義を強調した。