蒸れる、暑い…。今やマスクは必携品となりましたが、息苦しく感じる日も増えてきました。すぐにやってくる梅雨や真夏を思うと憂鬱(ゆううつ)ですが、少しでも快適なマスク・ライフを模索する動きが加速しています。アベノマスクはいまだほとんど配布されず、街では少し買えるようになってきましたが、庶民の気持ちはすでにナツノマスクへ!?

   ◇   ◇   ◇

ネット通販の各サイトには今、「冷感」「ひんやり」などをうたった夏向けマスクやフェースカバーなどがずらり並び、売れ始めている。合成繊維織物大手の丸井織物(石川県)の場合は、感染拡大抑制への思いから今年初めてマスクの生産を開始。さらに「今年は、夏でも必要になるだろう」と判断し、自社技術を生かした「夏マスク」(防菌フィルター30日分付き1980円)を2月後半ごろから発売したところ、2~3週前から伸び始め、売り上げが当初予想の5倍までに上っているという。

このマスクは特殊な加工と織りのポリエステル製で、接触冷感などの機能をうたっている。同社は生産態勢増強も検討する一方、さらに冷感度の高いマスクも開発中だ。

「冷やしシャンプー」などで知られる山形県では、「冷やしマスク」が登場し大人気になっている。普通の飲料自動販売機に缶ジュースなどと一緒に上質な布製立体マスクが並んでいる。690円を入れるとマスク1枚が入った冷たい瓶が出てくる。冷えたマスクをしばし楽しみ、瓶は回収ボックスに返す仕組み。自販機は山形市と山辺町に2台。3月に販売を始め、「冷やしマスク はじめました」ののぼり旗を立てたり、報道もあって、今や1日数百個も売れる日もあるそうだ。

コロナ禍で仕事が激減したため、山辺町のニット製造会社ニットワイズ後藤克幸常務が地元の同業者とマスクを作り始め、売り方を考案。「マスクはしっかりした商品ですが、こんな状況なので、笑いも大切。自販機ではたくあんなども売っています。ヘンなものを売っているなあと喜んでいただければ」と話している。近く新商品も加えるそうだ。

ネットでも、夏に向けた工夫やアイデアを紹介する動画などの投稿が増えている。手作りでは、冷却(冷感)タオルや、放熱機能などがあるTシャツ生地を使ったり、メッシュ生地とガーゼを組み合わせたものなどさまざま。使い捨てマスクについても、ハッカ油などアロマ系スプレーを使って清涼感を求める人も多い。

○…暑苦しいマスク対策として手軽にできそうなエッセンシャルオイルを使ったスプレーをつくり、試してみた。準備したものは、100%天然素材で作られたペパーミントのエッセンシャルオイルと化粧などで使うコットン、チャック付きの袋の3点。オイルを無水エタノールと精製水で割ってスプレーにする方法が一般的なようだが、現在、両方とも手に入りにくいため、簡易的な方法でチャレンジした。

コットンにオイルを1滴たらし、マスクと一緒にチャック付きの袋の中に数時間、置いておくだけで完成する。今回はペパーミントを使ったがユーカリなどもおすすめだ。

着用したところ、清涼感があり不快さは全く感じない。夏場のマスクとして強力な武器になりそうだ。また、アロマにはリフレッシュ効果もあり、気分転換にもなると思われる。一方で、刺激が強すぎる場合は、体調不良を引き起こす可能性もあり、しばらく時間を置いたり注意が必要だ。