新型コロナウイルス感染拡大の影響で、休業していた静岡・河津町の動物園「iZoo(イズー)」が、今月7日から営業を再開した。また、オープン日を延期していた南伊豆町の「波勝崎(はがちざき)モンキーベイ」も、同日に開業。両施設を運営するレップジャパン(静岡市)の白輪(しらわ)剛史社長(51)が胸の内を明かした。

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体感型動物園「iZoo」は、新型コロナウイルスの影響で先月13日から営業を自粛していた。今月6日まで完全休園。同園は、県の博物館相当施設に該当する。同5日に県の休業要請が緩和され、対象施設から外れたことで営業再開を決断した。

白輪社長は「賛否両論あると思うが、経営者の立場としたらギリギリの状況。従業員と動物たちが、共倒れになってしまうところでした」と率直な思いを語った。先月の売り上げは、前年と比べて94%減少。温度変化に敏感な動物も多く、細かな温度管理は欠かせない。エサ代や人件費などの毎月の必要経費は、2000万円を超える。

「我々のような施設は、開けても閉めても多額の費用がかかる。普段から節約を心掛けて運営しており、もとより余裕はありませんでした」と白輪社長。当面の間、動物と触れ合っての記念撮影など、一部サービスを休止。来園者にはマスクの着用とアルコール消毒の徹底を求める。さらに、特定警戒都道府県からの来園自粛も呼び掛けていく。

三島市在住の30代男性は、保育園に通う娘と営業再開日に来園。「娘も我慢を続けてきた。営業すると聞き、気分が晴れればと連れてきました」と話した。【古地真隆】

○…波勝崎モンキーベイは、予定より約2週間遅れでオープンした。昨年9月に休園した波勝崎苑の経営を引き継ぐ形で、当初は先月24日の開業を目指していた。東日本最大級となる野生のニホンザル約300匹が生息。来園者は、エサやり体験などを楽しめる。白輪社長は「オープンを迎えることができて、ホッとしている。自然の中でサルを観察できる貴重な場所。新型コロナが収束したら、国内外から観光客を呼べる施設にしたい」と希望した。