大阪府の吉村洋文知事(44)が29日、新型コロナウイルスの感染拡大で中止となった全国高校野球選手権大会やインターハイなどの大会の府独自の「大阪大会」開催への財政支援、会場確保、授業など「できることはなんでもやる」とバックアップを改めて誓った。府庁で記者団に答えた。

この日、6月15日から通常授業を再開する府立高校は休校の遅れを取り戻すため、夏休み、冬休みの短縮を発表。夏休みは8月7日から16日までの10日間となる。「大阪大会」を開催する場合、通常授業が行われる本来の「夏休み」と重なる可能性もある。

「大阪大会」に参加し、通常授業に支障をきたす場合はオンラインの活用なども視野に入れているという。吉村知事は「スポーツをずっとやってきた3年生が最後に発表したいという思いは強いはず。人生を考えたら机の上の勉強だけではなく、大事なものがたくさんあると思う。最後の発表の場はつくってほしい」と熱弁した。

大会は感染症対策を取り、高校3年生を対象に夏から秋にかけての実施を想定。府側から大阪府高校野球連盟など各競技団体に強く働きかけている。

「大会に参加するのを強制するわけではない。生徒の側の選択肢は増やしていきたい」。大会に参加しても、オンラインで授業を受けることができるようにするなど、バックアップ態勢を整えたいという。

吉村知事は公立の進学校だった生野高校ではラグビーに打ち込んだ。ポジションは左ウイング。「高校3年生になると、進学を目指し、春で部活をやめた生徒もいた。最後までやろうと冬までラグビーをするメンバーもいた。僕も残りました」と振り返り、「コロナだから仕方ないよねで終わらせるのは…」と知恵をしぼることを約束した。