自民党の二階俊博幹事長は17日、第201通常国会閉会を受けて党本部で取材に応じた。

河井克行前法相と妻の案里参院議員が、案里氏が初当選した昨年夏の参院選をめぐる公選法違反事件への関与が指摘され、党本部から案里氏の陣営に、参院選公示前に1億5000万円が振り込まれ、この資金が買収資金に使われたとの疑惑が出ている。二階氏はこの点について「党内では厳格な基準があり、公認会計士が支出をチェックしている。言われているような買収に使うようなことはできないのは当然だ」と述べ、買収に使われたとの見方を否定した。

党本部が主導する形で擁立が決まった案里氏の陣営に振り込まれた1億5000万円は、通常、候補者陣営に振り込まれる額の10倍ともいわれ、異例の金額の多さが指摘されてきた。

これに関して、二階氏は「党内の基準と手続きを踏んだ上で支給したものと承知している」とした上で、交付金の使途については「支部立ち上げに伴い、党勢拡大のための広報誌を複数回、全県に配布した際の費用にあてられたと報告を受けている」と、説明した。

河井夫妻は16日夕に離党届を提出し、17日に持ち回りで行われた党紀委員会で、全会一致で了承された。二階氏は「残念のひとことに尽きる」とした上で「他の所属議員は他山の石として、緊張感を持ち、国民の期待を忘れないように頑張ってほしい」と、述べた。離党届には「一身上の理由」と記されていたという。