将棋の藤井聡太七段(17)が28日、最年少での初タイトル獲得へ王手をかけた。

東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第91期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第2局で、午後6時38分、90手で先手の渡辺明棋聖(36)を下し、2連勝。和装での初白星。中盤から一気に差を広げての圧勝だった。このまま3連勝で17歳11カ月での奪取となるか? 屋敷伸之九段(48)が持つ18歳6カ月の記録更新を目指す第3局は7月9日、東京都千代田区「都市センターホテル」で行われる。

   ◇   ◇   ◇

藤井七段が最強の指し方を披露しました。キリで穴を開け、そこからじわじわと攻めを拡大する。序盤に見せた構想で渡辺棋聖を桂損にさせ、差を広げました。中盤の守備でも、まったく付け入るスキを与えませんでした。将棋盤81マスの急所の見つけ方と、仕掛け時が絶妙。テキパキと終わらせたという印象です。

これで昨年2月の朝日杯以来、渡辺戦は負けなしの3連勝ですか。大いに自信を深めたと思います。タイトル奪取に向けても、さらに加速した感じがします。第3局は先手番も生かせます。この5番勝負、挑戦者が大変、優勢とみました。(加藤一二三・九段)