将棋の藤井聡太七段が17歳11カ月と史上最年少での初タイトル獲得に王手をかけた、第91期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第3局が9日、東京都千代田区「都市センターホテル」で行われた。

午前9時から始まった対局は、午後7時12分、142手で渡辺明棋聖(36)の勝ち。連敗の渡辺が藤井の持ち時間を削る指し回しで優位に立ち、かど番をしのいだ。タイトル戦初黒星を喫した藤井のタイトル奪取は、第4局(7月16日、大阪市「関西将棋会館」)以降に持ち越された。

<棋聖戦5番勝負VTR>

◆第1局 6月8日◇東京・千駄ケ谷「将棋会館」 先手の藤井が渡辺の得意とする矢倉に誘導。双方1分将棋の終盤、16手連続でかけられた王手をしのいだ藤井が午後7時44分、157手で勝ち、17歳10カ月20日の史上最年少挑戦記録達成を白星で飾った。

◆第2局 6月28日◇将棋会館 再度、矢倉から後手藤井が後手5四金と上がる新趣向を披露。のちに自陣に後手3一銀と「専守防衛」で固めてから渡辺陣に襲いかかって一気に崩す。見事な圧勝劇で、タイトル初挑戦での奪取に王手をかけた。