西村康稔経済再生相は16日、会見を行い、政府が旅行を促進する「Go To トラベル」事業の割引対象から、東京発着の旅行を対象外とする案について、政府の新型コロナウイルス感染症分科会で賛同が得られたと発表した。

なぜ東京だけで首都圏ではないのかとの質問に、分科会の尾見茂会長は「都の感染者数はあきらかに他とは違う」と強調。さらに「我々は今回の都の感染は接待を伴う飲食店が感染拡大の1つのスポットになったとみている」と説明した上で「合理的な判断だと思います」と、「Go To-」の“東京外し”方針を評価した。

一方、西村氏は感染拡大が続く東京都の小池百合子知事が、「Go To-」に反対し続けてきたことに触れた。「小池知事は都の感染状況を示す警戒レベルを最高に引き上げた。『Go To-』は国の方で制御してほしいという趣旨で発言されている。国に課題を投げかけられた格好で、その答えをある意味出したと」と話し、“東京外し”は小池氏の意向に沿った形と示唆。さらに「知事には当然、分科会の前に連絡取って、話を伝えている」と明かした。

一方、小池氏は報道陣の取材に対し、“東京外し”について「(政府から)説明はございません」と即答。それぞれの異なる言い分は、政府と都の連携がうまくいっていないことを露呈した形となった。