東京都の小池百合子知事は7月31日の会見で、新型コロナウイルスの感染者が都内で新たに463人確認されたと発表した。前日30日の367人から一気に96人増加し、2日連続で過去最多を更新した。

東京都では7月に入って感染者が急増しており、1カ月で計6466人にのぼった。7月の間で1日の新規感染者が100人以下だったのは、1日(67人)、8日(75人)だけ。1カ月でこれまでの累計1万2691人の半数に達した。

都の深刻な状況を受けて、小池氏は「状況がさらに悪化すると、都独自の緊急事態宣言を発することも考えざるを得なくなる」と指摘。現状を「一刻の猶予も許されない」とし、対策を講じていくと強調した。

仮に緊急事態宣言を出したとしても「(休業要請に関して)方法は前回のような形ではない」と述べた。業種、地域などはピンポイントで対策を打つ考えを示し、「全部の経済を止めるというのは、『ウィズコロナの時代』にはちょっと(これまでとは)違ってきている」と、話した。

都は、8月3日~31日の間、飲酒を伴う飲食店と、カラオケ店に対し「時短営業」の要請を行うと発表している。小池氏は都独自の緊急事態宣言発令には、毎週開くモニタリング会議の結果が関係するとしたが、目安や、発令時の対策には具体的に言及しなかった。現状より悪化した場合、さらなる休業要請の可能性があるのか問われ「そこは戦略的に進めていきたい。可能性はある」と言及した。

都内の感染者が2日連続で最多を更新する事態に、小池氏は都民に、不要不急の外出などを控えるよう改めて要請。「今年の8月は例年とは違う夏になるが、コロナ対策を緩めてはいけない」と述べたが、有効策が見いだせない中では「お願い」しかない苦しさをにじませた。【佐藤勝亮】