新型コロナウイルス感染症の拡大で「新しい生活様式」が求められる中、ロボットが私たちの生活に溶け込み始めている。12日、都内で出前や警備の任務を担うロボットの実証実験が行われた。人手不足解消や対面による感染リスクの軽減など、目的はさまざまだが、実用化も遠くなさそう。ウイズコロナの世の中では「ウイズロボット」の生活も、珍しくなくなる? 

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京浜急行は12日、横浜市にある本社ビル内で新たな導入を目指すロボット2種の警備業務に関する実証実験を行った。専門技術を有するベンチャー企業2社と新たに提携することで、新型コロナウイルス感染拡大防止策と、同グループ内のビルメンテナンスの慢性的な人手不足解消を目指す。

実験を行ったのは、「SEQSENSE」(本社・東京都千代田区、中村壮一郎社長)の警備用自律移動型セキュリティーロボット「SQ-2」と、「Mira Robotics」(同・川崎市高津区、松井健社長)のアバターロボット「ugo」だ。

「SQ-2」は常時360度の撮影を行う。火災などのリスクにもなる異常熱源も感知する。すでに成田空港の巡回、警備にも導入。「ugo」は2本のアームと高さを遠隔で調整し、来訪者への検温、音声案内など、複数の業務ができる。実験に立ち会った両社長は「対面による感染リスクが抑えられる」と訴えた。

京急では2年前から新規事業を企画。技術を有する企業と提携して、地域や社会に貢献する狙いがある。2050年までに、生産人口は2700万人も減るというデータもある。コロナ禍でのテクノロジー活用は急務。早ければ20年度内の導入を目指すとしている。【赤塚辰浩】

○…ロボットの活躍の場は増えている。東京・品川プリンスホテルでは3年前、客室にアメニティーを運ぶ自律走行型デリバリーロボットを導入した。15年7月に長崎県佐世保市のハウステンボス内にオープンした「変なホテル」は、フロント業務を恐竜のロボットが担当。今では全国15カ所で展開している。工場のオートメーション化で、24時間フル稼働してくれるだけではない。