猛暑が続く中、浜松市中区で17日、日本歴代最高気温に並ぶ41・1度を記録した。18年7月23日に埼玉県熊谷市で観測された記録に並んだ。

静岡地方気象台の瀬下政宏気象情報官は猛暑の原因を「大気の下層が太平洋高気圧、上層がチベット高気圧で覆われており、雲が発生、発達しにくく、太陽の光が届きやすいため」と分析した。加えて「浜松付近は西寄りの風が吹き、フェーン現象になり、乾いた風が浜松に入って来て、さらに気温が上昇した」と話した。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、感染防止策としてマスクの着用が推奨されており、熱中症患者や、死者が多く出ている。熊谷市の富岡清市長は浜松の41・1度を記録したことを受け、「生命に影響を与えかねない災害級の暑さ」と警戒し、「『暑さ対策日本一』を掲げてきた市として、暑さを競うのではなく、生命と健康を守るため、今年は新型コロナウイルス感染症対策と併せ、暑さ対策、熱中症予防に取り組んでいく」とコメントした。

前日16日も浜松市天竜区で40・9度、中区でも40・2度を記録。2日連続で40度を超える猛暑となる中、市内のうなぎ店「炭焼うなぎ加茂」の加茂学さん(52)は「今までで1番暑くて、ビックリした」。この日も常連客に加え、夏場に精を付けるためと多くの食事客が訪れた。コロナ対策の換気で外から熱風が入って来るため、冷房が全く効かず、客も汗だくで食事をしていたという。加茂さんは「この暑さは体にこたえる。体に熱がこもり、夜バテてしまう」と話した。加茂さんは、外出自粛の影響で経営面で苦しむ店が多くある中、客が来てくれることが幸せだと話し「暑さ対策とコロナ対策、できることは全部やり、お客様に喜んでいただきたい」と、前向きに話した。【佐藤勝亮】