大学の名称を「京都芸術大学」に変更した学校法人瓜生山(うりゅうやま)学園(左京区)に対し、京都市立芸術大学(西京区)が名称の使用差し止めを求めた訴訟で、一審で請求を棄却された市立芸大が8日、大阪高裁に控訴した。

瓜生山学園の京都造形芸術大学から京都芸術大学への変更に対し、長い歴史を持つ市立芸大は長年「京都芸大」「京芸」「市芸」などと親しまれており、大きな混乱を招くと反発。類似表示の使用を禁じた不正競争防止法に違反すると提訴した。市立芸大の名称や略称がどれほど著名か、浸透しているかなどが争点となった。先月末の大阪地裁の判決は、著名とは言えないと指摘。他の大学とは「市立」で識別できるとし、受験生らが2大学を類似のものとして受け取る恐れがあるとはいえないとしていた。

市立芸大は一審判決後、卒業生、教職員ら関係者にも意見を聞き、郵便物の混同などが起きており、混乱が続いているとして控訴を決めた。赤松玉女理事長は「一審判決は承服しかねるものであり、多くの方々から頂戴した容認できないとのご意見も考慮し、控訴する決断をいたしました。正当性が認められるよう、引き続き主張してまいります」とのコメントを出した。

京都芸大側は、内容が確認できていないため、現時点でコメントは控えるという。