菅義偉首相の誕生を受け、京都市下京区の「菅(かん)大臣町」の人々が16日、菅首相に期待のメッセージを送った。

読み方は「かん」だが、同町の「菅大臣神社」は菅原道真の邸宅や学問所の跡で、誕生の地とも伝えられている。道真は右大臣になったことから「菅大臣」と言われていた。西池季久(すえひさ)宮司(54)によると、「菅大臣」を訓読みすると「すがのおとど」となり、それを音読みして「かんだいじん」ということになったという。同神社には過去には菅直人氏が訪れた。

西池宮司は菅政権の誕生に「さらなる改革を進めていただいて、コロナの影響によるところの沈滞を、外国も含めて、みなさんでともに携えて、活気のある世界になるようにご尽力いただけたらと思います」と期待を込めた。

今回の総裁選の影響は「取材の依頼のお電話は何件かいただきました」と明かした。

境内にあるジュエリーショップ「おざき」の尾崎富美子さん(76)は「菅大臣町っていう地名ですし、菅さんに頑張っていただいて、神社も盛り上げて、改修とかができたらうれしい」と願った。

代表取締役の忠さん(46)によると、神社はドラマ収録に使用されることがあり「ロケもけっこうあります」という。吉川晃司主演のカンテレドラマ「探偵・由利麟太郎」のロケが境内で行われた。ロケ地をめぐっていたファンの女性3人組は「すが大臣神社」とも読め、新首相の名前と重なることに「そう言われてみれば」と驚いた様子だった。菅首相の誕生によって「観光の人が来るかも」と話した。

町内のスノーボードスケートショップ「NUPLI」の佐々木智恵子さん(37)は「京都ではマイナーな神社だと思うけど、菅さんが行こうと思ってもらえる場所の選択肢に入れば」と期待を寄せた。同店のオーナー中野智裕さん(49)は映画「浅田家!」の中野量太監督の兄。中野さんは菅首相に「頑張ってくれたら」とメッセージを送った。【星名希実】